指導論

野球を含め部活動の目的とは何か。勝利至上主義と勝利を目指すことの違いは何か?

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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190717-00010000-kanag-soci

高校野球は教育の一環である

第2条(学生野球の基本原理)

学生野球における基本原理は次のとおりとする。

① 学生野球は、教育の一環であり、平和で民主的な人類社会の形成者として必要な資質を備えた人間の育成を目的とする。

② 学生野球は、友情、連帯そしてフェアプレーの精神を理念とする。

③ 学生野球は、法令を遵守し、健全な社会規範を尊重する。

④ 学生野球は、学生野球、野球部または部員を政治的あるいは商業的に利用しない。

⑤ 学生野球は、一切の暴力を排除し、いかなる形の差別をも認めない。

⑥ 学生野球は、アンチ・ドーピングの教育、啓発、対策への取り組みを推進する。

⑦ 学生野球は、部員の健康を維持・増進させる施策を奨励・支援し、スポーツ障害予防への取り組みを推進する。

⑧ 学生野球は、国、地方自治体または営利団体から独立した組織による管 理・運営を理念とする。

日本学生野球憲章にはこのように書かれています。「学生野球(高校野球)は教育の一環である」ということで、「野球を通して〇〇を身につけて欲しい」「勝ち負けよりも野球を通じて子供を育てたい」というような考え方をされる方が多いです。

ヤフーのコメントなどを見ると「部活動は教育の一環なんだから、勝つために厳しい練習をする必要はない」みたいなコメントを書いている人が多数みられますが、私はこういうものが「世間の感覚」なのかな…とも思います。

以降は「高校野球」としての考え方を述べていきます。

部活動は勝たなくていいのか?

学校の教育活動のなかで行われる部活動としての野球部の活動なので「教育の一環」というのは当たり前です。指導者は「教育的指導」をしている人が殆どだと思います。

しかしながら私は「野球を通じて子供を育てる」という感覚が一番ではありません。

私は「勝つ」ために野球を教えています(もちろん、部員が勝ちたい!という思いを持っていることが大前提です)

野球をしていなかったり、部活動に入っていない生徒が全然だめかといえばそうでもありません。世の中で成功している人って、部活動をしている人が多いのでしょうか?私は野球部の部員よりも優れている(優れた考え方や行動ができる)生徒を何人も見てきています。当然私の指導力不足といえばそうなのですが、要は何を言いたいかというと、別に野球やってなくても人は育つ、ということです。

大事な点なのでもう一度繰り返しますが

学校の教育活動のなかで行われる部活動としての野球部の活動なので「教育の一環」というのは当たり前です。

ということは大前提です。私は「野球」を「教育の道具」に使っていないということです。「野球は野球」ではないでしょうか?

と考えると、野球の目的は何かというと「勝つ」ことです。

各チームは、相手より多くの得点を記録して、勝つことを目的とする。

野球のルールブックである「公認野球規則」には、このように書かれています。

最大の目的は「勝つ」ためであり、その為に必要なことを「教育」していく。これが私のスタンスです。

野球部の指導あるあるである「挨拶」も、私は絶対に「チワ」とは言わせません。「こんにちは」としっかり言わせるようにしています。相手に届く声で、挨拶をする。これは「教育だから」教えるのではなく、「勝つために必要だから」教えるのです。

あいさつができることが直接的に勝利に結びつくわけではありませんが、私は勝つために私の求めるあいさつができる必要があると思います。

しかし、「あいさつの全国大会」があって競うわけではないので、相手に不快感を与えない、気持ちのいいあいさつができればいいのではないでしょうか。

こういうことを言いだしたらキリがないのでこの程度で止めておきますが、やっていることは同じですが、私は「勝つために教育をしている」という考え方なのです。

勝ち負けじゃない、努力してきたことが大事だ、みたいな話は、現役中にかける言葉ではないでしょう。夏が終わり、引退した3年生に対してこころから「お疲れ様、よく頑張ったね」という言葉と共にかける言葉であると思います。

現役中は勝利を求めるなかで色んなことを学び、身につけ、それが勝利につながれば最高ですが、勝てなかったとしても残るものがあるということです。

しかしながら、そこに「教育のない野球」が展開されていた上での甲子園出場なんて、何の意味もありません。

甲子園だけが高校野球ではありません。1回戦突破という目標も素晴らしい高校野球です。

それぞれの能力に応じて、最大限「勝利」を追い求めて野球をしてほしいと思います。

最初にも書きましたが、チャンピオンスポーツとしての高校野球という視点で書いていますので、少年野球などは「野球を好きになること・嫌いにならない事」を中心に教えてあげることも大事でしょう。でも少年野球でもレベルの高い子供が揃っている場合は「勝つ」ことを目的とした野球がされるのかもしれませんね(少年野球の現場はわかりません)

過去のマツコ・デラックスが「野球やってたやつはクソばっかり」というような発言をしているのを目にしましたが、確かにそういう人も良く見られます。競技人口が多いから目立つだけでしょうか?それはわかりませんが、せっかく「勝利を目指して野球をやって、色んなことを学び、身につけてきた」のに、犯罪に手を染めるような人には絶対になってほしくありませんね。

一部の「クソ」な指導者のせいで、頑張っている指導者までもが「ダメ」扱いされるような感覚があります。私の周囲の高校野球指導者は、ちゃんと「教育」されています。一部ヤ〇ザのような人もおられますが、一部です。

私は野球をやってきてよかったと、心から思っていますし、だからこそこうやって毎日グラウンドで指導をしているわけです。

勝利を目指す野球で子供を育て、「野球やっててよかった」と思ってくれるように指導をしたいものです。

-指導論

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