指導論 雑記

イチロー引退会見から感じたこと。

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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190322-00325131-fullcount-base

イチロー選手の引退会見を見て(読んで)、私なりに感じたことを書いてみたいと思います。

努力をすることは難しい

―今思い返して最も印象に残っているシーンは?-

 「例えば分かりやすい、10年200本続けてきたこととか、MVPをオールスターで獲ったとかは本当に小さなことに過ぎないというふうに思います。今日のこの、あの舞台に立てたことというのは、去年の5月以降、ゲームに出られない状況になって、その後もチームと一緒に練習を続けてきたわけですけど、それを最後まで成し遂げられなければ今日のこの日はなかったと思うんですよね。今まで残してきた記録はいずれ誰かが抜いていくと思うんですけど、去年5月からシーズン最後の日まで、あの日々はひょっとしたら誰にもできないことかもしれないというような、ささやかな誇りを生んだ日々だったんですね。そのことが……去年の話だから近いということもあるんですけど、どの記録よりも自分の中では、ほんの少しだけ誇りを持てたことかなと思います」

昨年5月から試合から離れ、この日本での試合に出場するためだけにトレーニングを続けてきたイチロー選手。

野球選手は試合で結果を出すために練習をします。試合を通じて課題を見つけ、それを克服するためにさらに練習する。

なのに、その試合出場がない中で、それまでと変わらない練習やトレーニングをどれだけやれるか。これは本当に難しく、厳しいことだと思います。それをイチロー選手の口から聞けたことが大きい。

「あの日々はひょっとしたら誰にもできないかもしれないというような」

という言葉で表現されているのが深い言葉に感じます。

高校野球でいえば、怪我をして試合に出れない選手、控えの選手、Bチームの選手…など、なかなか試合に出る機会のない選手に、レギュラー選手と同じようなモチベーションを指導者は「簡単に」求めがちです。

オフシーズンもそうですよね。試合が無いので練習がダレがちになってしまいます。

だからこそ指導者は、こういうときにモチベーションを高めることが難しいと知り、そして選手に寄り添い、どうしたらモチベーションを上げ、頑張らせるかを真剣に考えないといけません。

「あいつはダメだ」「腐っている」

と見捨ててはいけないのです。

そういうことを再認識させられたインタビュー内容でした。

野球を愛することができているだろうか。

―イチロー選手が貫いたもの、貫けたものは?-

 「……。野球のことを愛したことだと思います。これが変わることはなかったですね。おかしなこと言ってます、僕。大丈夫?」

野球が好きだから、我々は指導をしていますし、部員は野球をやっています。しかし「野球を愛している」まで言える選手や指導者はどれだけいるでしょうか。グリフィージュニアはイチロー選手のことを「野球に人生を捧げた」と表現していました。

我々指導者は他の仕事もあります。選手にも野球以外の様々な時間があります。プロ野球選手と同じように「野球に全てを捧げる」ことはできないでしょうが、本当に結果を出したいのなら「野球を愛し、野球に自分の時間を捧げる」ことができないといけないでしょう。

そのためには多くの犠牲を払わないといけないかもしれません。野球で成功せず、その他の部分も失敗して不幸になるかもしれません。

しかし、それも含めて「野球を愛する」というくらい言えない指導者ではないと、部員を導くことはできないのでしょうか。そんな指導者だからこそ、部員は指導者を認め、信じ、野球を通して成長するのではないでしょうか。

「野球を愛しています」

と言える指導者になりたいと思います。

誰かの思いを背負ってプレーすることの大変さ

―涙がなく、むしろ笑顔が多いように見えるのは、この開幕シリーズが楽しかったということか?―

 「これも純粋に楽しいということではないんですよね。やっぱり、誰かの思いを背負うということはそれなりに重いことなので、そうやって1打席1打席立つことは簡単ではないんですね。だから、すごく疲れました。やはり1本ヒットを打ちたかったし。応えたいって当然ですよね、それは。僕に感情がないって思っている人はいるみたいですけど、あるんですよ。意外とあるんですよ。だから、結果残して最後を迎えたら一番いいなと思っていたんですけど、それは叶わずで。それでもあんな風に(ファンが)球場に残ってくれて。まぁ、そうしないですけど、死んでもいいという気持ちはこういうことなんだろうなと。死なないですけど。そういう表現をするときってこういうときだろうなって思います」

「誰かの思いを背負うということはそれなりに重いことなので、そうやって1打席1打席立つことは簡単ではないんですね。」という言葉がありますが、野球選手は様々な思いを背負って戦っています。

家族や友人、控え選手、ベンチ外選手、地域の方々…

そういう思いを持って野球をしているということを、自分の部員に伝えたい。そしてその重圧に耐えられる選手、人間を育成したい。そう思います。

リンク先の記事にはインタビューの全文が掲載されています。

ひとつひとつのインタビューが、心に響きます。ぜひ読んでみてください。

-指導論, 雑記

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